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H.C.R.2014 ビジュアルデザイン
<曽谷 朝絵 履歴>
絵画やインスタレーション、映像とジャンルを超えて活躍するアーティスト。
2006年東京藝術大学大学院博士後期課程美術研究科にて博士(美術)取得。『第6回昭和シェル石油現代美術賞展』グランプリ(2001)、『VOCA展2002』VOCA賞(グランプリ)をはじめ、『横浜文化賞文化・芸術奨励賞』、『神奈川文化賞・未来賞』(2013)など多数受賞。2013年には、大規模な個展『宙色(そらいろ)』を水戸芸術館にて開催し、大好評を博す。2014年には『聯 覺(Synesthesia)』AKI Gallery(台北)や、パブリック・ビューイング『浮かぶ』神奈川芸術劇場、など、全国で展覧会を開催。現在、文化庁新進芸術家海外留学制度研修員としてNYのISCPにて制作活動を行っている。
公式サイト:www.morning-picture.com
<作品“Mountain”について>
この作品が描き上がった時は不思議な感じで、自分で苦労したというよりも、絵の方から寄って来てくれたように、すんなり出来上がった。苦労した作品よりも、そうしてするっと出来た作品の方が、実はいつでも出来が良い。
山を描いているが、本当は何に見えても良くて、描いたのは絵画の楽しさである。ここではキャンパスを何かに変質させるためではなく、色が色として、絵の具が絵の具として、そのまま存在している。絵の具を混ぜた瞬間の驚き、描く時の筆のスピードによって、その線が変わってくること、生の色の生命感。それら絵を描く時に感覚する様々な事象を直感的な判断によってコントロールすることで絵が生成されていく過程を、なるべく生のまま閉じ込めた絵を描きたかった。その過程は、とてつもなくスリリングで、そして楽しい。
私はそんな絵画の楽しさにずっと導かれてきたから、この絵が来てくれたのかもしれない。だとすると、この絵は子供の頃からずっと親しくしていた友達のような存在だ。今回、この作品がポスターとして多くの場所に掲示いただけるという。絵画の楽しさが街に伝染するといいと思う。それは生きる楽しさにも通じると私は思う。